畳からフローリングへのリフォーム。なんだか嫌な予感。
既存の合板を捲ってみたら。。。え?なにこれ???
もちろん束が浮いていること自体はよくあるけど、これは特殊な金物みたいなのが付いてる。
大工が使うことは絶対ないやつ。しかも…なにこの付け方?
よくある畳からフローリングへの工事です。
しかし、何故か畳をめくる前から嫌な予感がしていました。
畳をめくると、下の合板が湿気を吸ってかなりベコベコ。
という事で急遽合板を捲って張りける事にします。
湿気を吸った合板はミルフィーユのようでした。
なかなかきれいにはがれない….解体は難しいです。
現場現場で解体の仕方は違いますね。
- 釘を一本ずつ抜いてめくる方法
- 強引にバールで引き抜く方法
- 丸ノコでカットしてから引っ張る
材料の傷み具合で変わってくるから経験と勘が必要ですね。
床を捲ったら、思わず二度見…!【謎の束柱】が現れた!
床を全部めくるとそこに現れたのは…
極端に浮いた束柱でした。
束石と束柱の隙間は大体10~15㎜でしょうか…
大引きの柱の上端との隙間は20㎜以上
浮いているだけではなく、束の上側も大きく隙間が空いています。
束が浮いていること自体は珍しい事ではありません。
私達が一番疑問に感じたのは、側面に付いている金具です。
明らかに、隙間が空いている状態のまま後から取り付けたことがわかります。
これはある企業が使用している金具で、束と大引きのズレを防止すると謳われているものです。
もちろん大引きと束が密着した状態で取り付けることを前提に作られている商品です。(だと思われる)
この状態で取り付けても全く意味がない気がします。
施工した人が一体何を目的に取り付けたのか……..理解に苦しみました。
金具にぼかしを入れているのは、
私達がこれを取り扱っている会社を晒すことが目的として動画を
作っている訳ではないからです。
動画ではあまり深くこのことについて言及していませんので
多くの方はイマイチピンとは来なかったかもしれませんね。
どうしてこうなったのか?
色々と想像してみました。
適当に手鋸で切った感じにも見えます。
短く切りすぎたまたは適当な柱を持ってきた為、上側で調整したけど金物のビスの打つことが出来なかった。
下の隙間にクサビを入れたいけど…上手く入れれない又は腐ってしまったかもわからない。
もしかしたらそこまで考えていなくて
束が浮いていた。
どうしたらよいだろう?
とりあえず…金具付けとけばいいかな?
といった感じだったのかもしれません…
想像してもしても結局のところよくわかりませんでした。
動画を見たほとんど方が、これは地盤沈下と思われているようです。
全体的に沈下はありますが、全体で1~5㎜まで
ここだけ集中して15㎜下がる事はまずありません。
大引きは真っ直ぐなので、床の荷でここまで下がる事もありません。
こちらのお家では定期的に白蟻駆除業者さんに来てもらっており
数年前の点検の時に
「束が浮いているとこがあったので補強しておきました」
と言っていたとのこと。
補強どころか、大引きに余計なものをぶら下げて荷をかけている状態です。
(無い方が良い)
面白いのはさらにその柱にコミセン入れて消毒をしています。
施工者全員がこのような事をするとは考えたくはないので
せめて、たまたまこれを施した人間が経験の浅い人だったー
ということであってほしいです。
建築業界は人手が不足しています。
人員不足が加速すると、教育や育成が追い付かないまま現場に放り出され、
こういったケースを呼び起こすことになります。
建築やリフォーム業界に不信感を抱く人が増えても不思議ではありません。
束柱を全て撤去して鋼製束を入れるがレベル調整が難しかった
今回、上記のように極端に上も下も隙間が空いた状態の束柱は二か所。
ここまでではありませんでしたが、和室の束柱はほとんど浮いていました。
最初は床下を直す計画ではなかったけど、急遽柱を全て撤去して鋼製束に入れ替える事にしました。
和室以外の部屋も一応見回って点検。
若干浮いていたところはウレタンボンドを注入して処置。
今回は鋼製束は高さを調整できるのでとても便利です。(プラ束でもかまいません)
僕はよく城東テクノ JOTO の 鋼製束を使っています。
大引きに取り付けてから水糸を張り、なるべく水平になるように調整するのですが
古いお家の大引きは曲がっていることが多く、調整の加減は結構難しいです。
鋼製束で床のレベルを出すコツはとにかく上げすぎない事です!
そのあたりも動画で話していますので是非見てください。
根太を入れた後にシロアリの消毒剤を撒き、新しい合板を並べてこの日は終了しました。