手軽じゃないカバー工法の玄関リフォーム施工例。こういう時もある。

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失われた玄関枠 

こんにちは。
むらたかずです。

前回、シロアリに食べられまくっていた玄関ホールの床を組み直しました。

部屋全体合板まで伏せることが出来、段々形になってきました。




で、次は玄関。

このお家はあちこちでシロアリ被害があった。

玄関ホール下と浴室周り、掃き出しサッシ下の土台。
筋交い数か所。
大引き数本。
束柱。

そして僕が一番厄介だなと思ったのが

この玄関周り。

施主様は当初から玄関サッシを交換したいとおっしゃっていました。
最近の玄関サッシというのは窓とは違い、
それはそれは重たくて頑丈でしっかりしている。

その頑丈な玄関を支える下地が…

全消失中。

 

新たに下地を構築する必要があるのだが
大変なのは、まだこの既存の玄関を外すことができないということ。

新しい玄関を取付ける直前に外さないといけない。

だって玄関だもん。

なのでこの古い玄関が付いた状態で下地を作っていく。

ね。リフォームって面白いでしょ?泣

 

  

 

玄関カバー工法とは?

玄関を交換するには、2つの方法があります。

①新築用の玄関サッシを取付ける
②リフォーム用の玄関サッシを取付ける(カバー工法)

違いを簡単に説明すると、

①の場合、玄関を枠ごと入れ替えるので、
外壁の中に埋もれている枠材を抜き取るために外壁を少し壊す必要がある。
外壁と内側の玄関周りの補修工事もしなければならないので
工事完了まで少々時間がかかってしまう。

②の場合、既存の玄関枠は残し、その上から新しい玄関枠を被せる。
外壁も内装も傷つかないので、工事完了までの時間が短縮。
通常1日で工事完了する。
サッシ自体は割高だが、解体費用や補修工事費が無いので全体的には
①よりもお得になる。
被せる枠が少々ゴツくなるのがデザイン的に嫌だという人もいる。

今回のリフォームは外壁は一切触らないので
必然的にカバー工法ということになるのだが

手軽な1-Day玄関リフォームのはずのカバー工法も

今回ばかりはそうはいかない。

だって
下地ないんだもん。
(少々すねている)

 

まあとにかく、やるしかないのである。

  

土台も柱もシロアリにやられていて
下地となる木材を留める場所が無い…

さてどうする?

外壁の胴縁だ。
ビスが利くのはここしかない。

んでもって、既存の玄関枠が邪魔でビスが打てないw

枠に穴をあけてやった。

ここからビスを揉んでやるぜ。

これでなんとか木材が固定できた。

次はサッシの上部。

こんな上までシロアリに食い荒らされてた。

どんだけ食べるん?


とはいえ、雨漏りに長い間気付かなかったお家など
こういうことは珍しくない。

雨漏りの修理は今までたくさんやってきたけど
柱の上部、天井裏までシロアリが来ていたお家もある。

雨漏りもシロアリも、早期発見、早期対処が肝心。
もちろん未然に防ぐことが一番大切だけど。

人間の健康と一緒ですね。

と月並みなことを言ってみる。

まぐさを吊るための間柱を垂木から取り付ける。

いい感じで下地が出来てきた。

古民家が流行っているけれど

ショート動画でもちょっと触れたことがあるのですが

今流行の古民家ブームについて。


古民家を改装したお洒落なカフェとか飲食店とか
ネットでもたくさん目にする機会が増えた。

みなさんセンス良くカッコよくリフォームしていて
すごいなぁ。行ってみたい!
と思うこともよくある。

そして、【古民家】っていう響きもいいんだろうな。


でも、自分が買って住みたいかと言われたら


「住みたくはない」


住んでる人ごめんなさい。


メンテナンスがどれだけ大変かを知っているので
わざわざ買ってそこにずっと住み続けたいと思うかというと
なかなかそんな条件のいい古民家は見つからないのではと思う。

まず、屋根がしっかりしていること。
垂木がまっすぐ通っているか。
軒先が揃ってるか。
瓦はまだまだ持つか。
雨漏りのリスクが高くないか?
地盤は沈んでいないか?

どうせ住むなら見た目もかっこいいほうがいいし。
敷地も狭くない方がいいし。


建ってから数十年、誰かがしっかりメンテナンスしてきているか。

そしてこれらの条件が揃っていたとしても
快適に住めるようにするにはそれなりに手を入れなければならない。

最近は古民家を買ってDIYでコツコツ直されている方などもよく見る。
正直すごいなぁと思う。

また古い家は、一見問題なさそうに見えても
壁や床をはがすと
柱が…
土台が…
床下が…

と問題が次々にあふれてくることはよくある。

大工さんならわかると思う。

古民家を購入する時点で、建築に携わったことのない一般の方が
その判断をできるのか?

結構心配なところでもあります。


本題にもどります。

ニッチを造ることになった。

施主さんのご希望で、玄関の壁にニッチを造ることになりました。
家の鍵とか車のキーとかぶら下げられるちょっとしたスペースが欲しいとのこと。

たしかに玄関にあると便利だと思う。

新築工事でも、注文住宅などは追加工事や変更などがよくあると思う。
建売だと誰かの希望による変更ではなく、
設計上のミスなどで変更を余儀なくされることもあるらしい。

リフォームの場合、壊してみないとわからない事も多く、
軌道修正が必要になることは日常茶飯事です。

もちろん、工事が進んでいくにつれて完成のイメージがしやすくなると
ここをもう少しこうしたい、あれはやっぱりこっちに欲しいなど
施主さんのリクエストが出てくるのも当然の事。

お安い御用!
と引き受けられる事もあるし

もちろん、場合によっては不可能だったり
可能だけどかなり工程を戻る必要があるので現実的にはちょっと…
となる事もある。

でも、工夫してできるだけかなえてあげたいと思う。

新築はもちろんの事、リフォームもそう何回も出来ることではないから。
その時にやらなかったらもうチャンスはない事もある。


そうは言っても、追加工事は追加工事。
時間と労力がプラスされることになる。

僕たちは、元請けとして施主さんから直接仕事をもらっているので
施主さんと直接話が出来る。
現調の時から工事が終わるまで
何回も話すし何回も会う機会があって、距離が近くなっていく。

施主さんも僕たちに色々と相談しやすいと思うし
僕たちも交渉しやすい。


一般的に下請けさんとしての仕事をするときの職人さんたちは
元請けからの要求は飲まざるを得ない環境であることが多い。

追加や変更があっても工期は延長されるわけでもなく
手間代も増えない。


そんな中で工夫してきちんと納めてくる職人さんたちは
本当にすごいと思うと同時に
それに甘えきっている業界の構造が変わるとも思えないので

腕のいい大工さんや職人さんたちは
どうかその技術を安売りしないでもらいたい。


とはいっても、そんな簡単に言ってしまえるようなことではないのも
わかっているのですが…

話がそれ過ぎましたね。

まず、ニッチを造るには壁の厚みが足らないので
下地を足して壁を付加すことにした。


さらに壁が前傾しているのと、ひねりがある事で
少々ニッチの下地造りに手間がかかっています。

家全体が真っすぐではないことが、
こういうところにも影響がでてきますね。 

  

だいぶ形になってきました。

もう一息。


丈夫な玄関枠下地と、ニッチの下地が無事に完成。

シロアリの被害がすごかったのでどうなることかと思いましたが
これで重たい玄関サッシにも耐えてくれるはず!

これでまた一つ、課題をクリアした。

次の課題は、なんだろう。

次もぜってー見てくれよな!


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